仔犬を飼うと決めたのち、我々は決めなければいけない大事な事がありました。
そう、彼の名前をつける事です。しかも、ここはフランス、独特のルールがあるのですねぇ。産まれた年によって登録する時の名前の先頭のアルファベットが違うんですって。2020年生まれの犬は「R」から始まるようで、これは難しい。フランスは生後8週間は引き取れないので、毎週ブリーダーさんから送られてくる写真を見ながらATAさんとUTAさんはあーでもない、こーでもないと考えるのでした。
UTAさんは名前を考えようとするのですが、ATAさんは呼ぶことをイメージしているのでなかなか決まらない訳ですよ。
UTA「REDは?」
ATA「黒いのに?」
UTA「ROCKYとかROOKIEは?」
ATA「えーー、いや」
UTA「ROGERは?ほらワンピースでGold D Rogerっているし」
ATA「あの人どこまでワンピース好きなのって思われそう。」
UTA「ROMANEEは?フランスだし、ほら、ワインのロマネコンティとか」
ATA「ロマネって呼ぶの?ロマちゃん?うーん。。。」
UTA「ROMAは?ほらロマってどう?」
ATA「パリなのに?」
UTA「RAPHAELは?ほらテニス選手でいるじゃない、ラファ!って呼べるし」
ATA「呼んだら人間が振り返ったらどうするの!」
あぁ’’ーーーーーーーーーーーーー!!ATAさんってこういう人なの!全く決まる気がしないのであった。そして、このトークが毎晩続くのであった、、、。
一方で、飼うと決めた以上ATAさん毎週来るブリーダーさんからの写真を楽しみにワクワクしているのである。「今週の写真きた?」と目が合うたびに聞かれるのである。
1週目、まだ目も開いていない。いやー可愛いね!待ちきれない。
2週目、顔つきが一気に変わったんだよね。目が離れてね。
ATAさん毎日にように、「あの子、こないだのあの子だよね」と何度も聞く訳ですよ。
そうだと思うけど確認できないよねぇ、そんなの。
3週目、ATAさんに急かされ続けて、届いた写真。「おっ!仔犬らしくなってきた!」ATAさんもホッとする一方、成長スピードの早さに今度は焦り出す。「もう大きくなっていない?」と聞き出した。よほど生後2週間の仔犬が可愛かったんだね。でも、まだ目は離れている。。。
4週目、おっ!ずいぶん仔犬らしくなってきたじゃない!なぜか右手はいつも上げさせられて写真に写っているんだよね、手の大きさと仔犬のサイズでイメージトレーニングを続けるATAとUTAなのであった。
5週目、きたーーーーー!ついに想像していた仔犬のイメージ。何と可愛い事でしょう。目も近づいて、もうこの頃は1日でも早く会いたい気持ちでいっぱいなんだよね。
そんな中、ATAとUTAは毎日のように途方もない冒頭の名前づけのやりとりを続けているのです。UTAさんはもう決まる気がしなくなってきていました。そんな中、
UTA「ROKUは?」
ATA「何で6なの???、でもロクちゃん?悪くないかも。」
UTA「RONは?ほら麻雀の上りもRONだし縁起良さそう」
ATA「ロンちゃん?悪くないかも。」
ってな事で、候補はROKUかRONに絞られてきた訳ですねぇ、、、。
6週目、訪問前の最後の週です。何とも哀愁漂う写真が送られてきました。モデル(笑)のようなポーズで、、。UTAさんとATAさんはROKUかRONで悩んでいたのですが、ここでATAさんから提案。
ATA「RAVIは?フランス語で<大喜びの>って形容詞なんだけど」
UTA「それで行こう。」
という事で、ATAさん提案の「RAVI」って名前になったんですねぇ〜。ブリーダーさんに伝えたら、綺麗なフランス語を選んでくれてありがとう!って。ATAさんさすがだね。
この名前、実は後日談があってね、、。日本人の苦手な発音のRとVが入っているんだよね。散歩中に会うフランス人に名前を聞かれたら、何とも通じない訳です。「はぁふぃ」くらいなんだよねぇ。でもATAさん命名の理由までいつも毎回キチンと説明して、一回聞いたら忘れない名前になってるんだね。
最近は「RAVI太郎」とか「RAVI蔵」とか言い出して、いつその後ろのやつ付いたのよ??自由だねATAさん。そう彼の名前はRAVIなのです。