ごきげんなワインの旅〜ブルゴーニュ、シャブリー〜

Wine

前回のワインの旅はムルソー地区、ここはブルゴーニュ地域の南側だったのだよね。今回はChablis(シャブリ)、ブルゴーニュ地域の北側です。シャブリの名前は有名で知っている人が多いでしょう。場所的にはパリから約200KMで2時間くらいで着く最も近いブルゴーニュですね。ブルゴーニュの中心まで行こうと思うと350KMなので日帰りはちょっと大変。日帰り圏内としてもシャブリは魅力的な地域です。

今回は、シャトーメルシャン欧州拠点のイベントに参加する形で、何と!ドメーヌ・ロン・デパキを訪問したのでした。天気も大変良く、ごきげんなワインの旅だったのですが、出発直前に発覚した「RAVIは出禁」で我々のスケジュールは大きく変わるのでした。ワイナリーやセラー、食事の場所は犬が入れないそうです。庭に繋いでと言われてもRAVIはまだ11ヶ月それは無理です。ATAさんも一緒に繋がれたら、私は後で地獄を見るでしょう。悩んだ挙句、ATAさんとRAVIはシャブリの街で遊んでお昼を食べてもらう事を了承してくれたのでした、、。🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️

さて、大きな問題が解決できたところで、ツアーを楽しみます。まずは高台に登り、目の前に広がるシャブリグランクリュの畑を見ながらルイスさんのレクチャーが始まります。
シャブリの歴史とともに、1億5千万年前は海の底だったこと。その証拠にシャブリの石には貝の化石が付いてる事。だから他地域とはテロワールが違うんだと力説されます。よく聞くよね、だからシャブリとオイスターは相性がとても良いと。絶景を一通り堪能し、説明を聞いたところで、参加者一行は対岸のグランクリュの畑に向かうのであります。シャブリの畑のグレードは、Petit Chablis-> Chablis-> Premier Cru -> Grand Cru という4段階になり、葡萄はシャルドネ単一品種で作られます。

さぁ、Grand Cru畑に到着!この畑は?、そう「ムトンヌ」なのです。ロン・デパキが独占所有する特級畑(Grand Cru)ですよ。通常は特級畑でも各ドメーヌは部分所有ですが、たまに独占所有(モノポール)の畑が存在します。独占所有だとどうなるか?と言えば、単純にそのドメーヌからしか買えないですね。市場価値は当然上がります。

移動中、車の中で色々教えてもらいました。ブルゴーニュ地域のワインの製法では葡萄の木に水をやる事を禁止されているようです。葡萄の木は水分を地中から取得する必要があり、その地中の水分とともに吸い上げる様々なエキスが葡萄の味に伝わり、ワインになりテロワールと呼ばれる風土や大地特性につながるという事。特急畑等の認定にはその土壌で葡萄の木がどれくらい深く伸びるかという違いもあるらしい(ほんまかいな?)。ちなみに、Grand Cru畑の根は20Mくらい。

ブルゴーニュでは3本の葡萄の木から1本のワインができるようです。一方、チリなどニューワールドと言われる地域では1本の葡萄の木で1本のワインができる。だからブルゴーニュは割高なのだと熱弁をしていました。うん、とてもよくわかる。

そして今年の葡萄の木、葡萄がほとんどなっていませんでした。7月の寒波の霜の影響でシャブリは大打撃を受けたようで、2021年の生産量は7割減になるようです。葡萄も今までは5房/本だったようですが、1房あるかないか、、といったところ。農業は厳しい世界です。しかし、葡萄のサイズは例年と変わらないようで、生産本数は大きく減るけど品質は良いと胸を張っていました。

「先程のセオリーだと、地下から吸い上げるエキスが一房の葡萄に凝縮する訳で特別なものになるのでは?」と聞いてみると、「その通りだ!お主よく分かっとるのう」とお褒めいただいたのです。
日本人が大好きな、出来の良い年、悪い年にあまり騙されないようにしないとね。出来の良い年は誰でも良いワインを作れる、出来の悪い年は作り手で差が出るという事なんだね。

さて、お待ちかねの試飲会。様々なワイナリーで試飲はしたけど、ここまで素晴らしい経験は初めてでした。さすがメルシャン!ドメーヌの庭に試飲用の会場と料理を用意してくれて次々と出されるワインをあーだこーだ言いながら楽しむのです。

それぞれの感想を書き出すとキリがないので、今回飲んだ銘柄だけメモしておこう。

Chablis
Les Villons (Premier Cru)
Les Lys (Premier Cru)
Les Vaucopins (Premier Cru)
Kes Blanchots (Grand Cru)
Les Vaudesirs (Grand Cru)

そして、サプライズでMoutonne(Grand Cru)
まさかね、ムトンヌが飲めるとは思っていなかったので、参加者みんな大感激でした。

時間を忘れて楽しんでいたところ、15.30を過ぎた頃にATAさんからLINEが入るのです。「まだかなぁ?携帯の電池がなくなりそう、、。」(そうです、15.30−16.00頃に終わると伝えていたのです。)
実は朝到着した時、シャブリ市内でATAさん携帯にトラブルが発生して、インターネットに繋がらなくなったらしいのね。機械に強くない(どちらかというと弱い)ATAさんは何とか再起動して復活させたようだけど、電話をしてきて「万一の時の集合場所はTourist Officeね」と伝えられていたのでした。そう、欧州ではどの村にもTourist Officeが基本あるので、集合場所としてはとっても良い。そのATAさんが電池が切れそうと言っている、今すぐ動かねばATAさんもキレるかもしれん、、。と、私は併設されたワインショップでお気に入りのワインを粛々と購入し、ATAさんが滞在しているレストランに向かうのでした。

そのレストランなかなか良くて、着けばATAさんと日本人の二人が仲良さそうにまったりとお茶をしていました。超焦ってきた私は何でしょう??聞いてみると、ATAさんとRAVI、お昼を終えて散歩していたところ、暑過ぎてお茶をしに入ったレストラン(Chablis Wine Not)らしい。たまたま日本人シェフがこの夏に立ち上げたレストランでシェフとお客さんが仲良く話しているところにATAさんとRAVIもジョインしていました。そしてこのレストランが何とも魅力的!!!なの。ワインを軸にワインにあったタパスを提供する店なんだって。なんて魅力的なの。次回必ず来よう!RAVIとATAの面倒見てくれたお礼も兼ねて。

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Chablis Wine Not : Bar à vin, cave à manger, caviste à Chablis (Yonne, Bourgogne). Vins de France et du Monde à déguster, boutique en ligne pour vos achats.

そして、「俺のこと忘れんなよな」と主張するRAVIなのでした。

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